法人の特長
〇保護者の熱意と地域のバックアップあり
当法人は、障がいのある人が当たり前に自立した日常生活を地域社会で営むことができるよう、「~明るく 楽しく のびのびと~」をモットーにした生きがいの持てるサービスを5つの施設で提供しています。
昭和55年に法人を設立、翌年には江南市初の障がい者通所施設「ときわ作業所」を開設しましたが、その経緯に当法人の特長が表れていると思います。「完全参加と平等」の実現を目指した国際障害者年(※)である昭和56年を中心に、当時全国的に障がい者の働く場所を作ろうという気運が高まっていました。江南市にも「障がい者の働く場を」「親亡き後の生活の場を」と願う保護者の方たちの熱意とともに行政をはじめとした地域の方たちのバックアップにより、法人格の取得と施設の開設に至っています。
このような経緯は、私たち職員と保護者の方たちや地域の方たちとの結びつきを強くしてくれていますし、各施設で地元の市町を大切にした地域交流・貢献につながっています。
※国際障害者年…障がい者の社会生活の保障と社会参加のための国際的努力を促すことを目標に、国際連合が指定した国際年の一つ。
課題に対する取り組み
〇新たな理念と、利用者に応じた生きがい作り
現在、利用者の高齢化や障がいの重度化に対応できるサービスが求められています。そこで、当法人のモットーを実践し続けるための運営方針を「利用者の幸せが最優先」と定めました。「幸せに直結する何か」というのは難しいかもしれませんが、歳を重ねていく中で生きがいにつながる時間を過ごしていただきたいと思っています。
私が入社した17年前に開設された障がい者入所施設の「ふじの木園」には開設当時からの利用者もお見えになり、施設とともにそのまま歳もとっていかれています。そこで、例えば今まで参加していたソフトボールやキックベースボールの大会に出掛けられなくなった方には、新しい楽しみとして「ボッチャ」(※)を提案しています。
作業所も同様に、開設当初から何十年と長く通われている方もいらっしゃいます。ここでは、働いて工賃(給料)を得ることだけを目的とするのではなく、日中の活動場所として捉えるようになった方に、市内の体育館を借りてイベントもやりましょうと誘うなど、利用者の特性や心身の状況に応じた楽しみを提供するように努めています。
※ボッチャ…赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりしながら、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールにいかに近づけるかを競う障がい者スポーツ。
キャリアップについて
○年齢や経験に合わせて着実に
当法人では、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、相談支援専門員といった資格を持っている方はもちろん、今年度から無資格の方でも正規職員として採用しています。当法人の通所施設は自力で通う利用者もいますが、保護者が送り迎えをする利用者もいます。入所施設であれば週末には帰宅する人もいて、スタッフ同士だけでなく保護者など外部の方とコミュニケーションが必要であり、周りの方々と連携が必要となってきます。20代でしっかり経験を積んで、30代で主任など後輩を育てる役職に就いてもらいたいです。キャリアアップには社会福祉士や介護福祉士などの資格が必要ですが、今は役職も増えたので、年齢や経験に合わせたキャリアアップが望めまし、資格取得のために勉強もしたいという方は、勤務の調整もシフトの案が2カ月前にはわかるので、プライベートも含めて予定が立てやすいですね。
また新しい事業の可能性を探るべく立ち上げたプロジェクトチームは、20代後半から30代の職員が中心です。職場の未来を自分たちで考えることが、モチベーションアップにつながればと思っています。
障がい者施設で働く人に求められるもの
○相手の立場に立つこと
障がいのある人への理解、敬意、思いがあることです。その前提にあるのは、人が好きで、コミュニケーションが取れること、つまり相手の立場に立てるかどうかが鍵になります。例えば、自閉的な傾向がある利用者に対して、その日スムーズにいった支援が翌日も成功するとは限りません。周りの頼れる先輩職員と一緒に、少しずつ利用者の気持ちに寄り添っていただきたいです。確かに大変な仕事ですが、関わった分だけ価値感が広がります。私自身もそうでした。
障がい者福祉に限らず、法人や施設が増えている中、当法人以外でも福祉の仕事に就くことはできます。私たちは施設を構えている江南市との結びつきが強いことや、江南市以外に施設を作ることはないので転勤がないこと、待遇面が安定していることなども特徴の一つです。この特徴も強みとして生かしながら人材を惹きつけていきたいですね。