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【社会】勤務医 残業減らさねば 来年4月に上限規制

2023年12月03日(日)

大学病院、IT・バイト活用

 勤務医の残業時間の上限を原則年960時間に規制する「働き方改革」が、来年4月1日から始まる。長時間労働を見直して医師の健康を守る狙いだが、大学病院で働く医師は診療、教育、研究と多くの業務に当たらなければならない。開始まで4カ月を切り、ITや学生アルバイトの活用など、現場は改革を急いでいる。(平井良信)

 勤務医の名札に付けられた直径約3センチの電波発信器(ビーコン)。病棟や手術室に置かれた受信機が信号を検知し、医師が病棟や医局など病院内のどの場所にどのくらい滞在したか自動的に記録していく。これを基に各医師は勤務時間を入力する。名古屋大病院(名古屋市昭和区)が昨年11月に、働き方改革の切り札として導入した勤怠管理システムだ。診療に当たる医師約850人にビーコンを配布した。

 それまでは月末に紙に手書きで勤務時間を記入していた。耳鼻咽喉科の小林万純(ますみ)医師(35)は「働いた時間を正確に把握できていなかった」と振り返る。外来診療や手術、宿直に加え、週2回ほどの他病院での外勤や自らの研究、学生の教育にも当たる。勤怠管理があいまいだと働き過ぎる恐れがあったが、「勤務時間が可視化され、時間内に業務を収める意識が生まれた」と話し、実際に残業時間は減ったという。

 来年4月の働き方改革に向け、名大病院では勤怠管理システム導入のほか、会議の時間短縮など効率化を進め、残業が960時間を超える医師は2年前の半分の約40人に減った。960時間超の医師については、1860時間まで働ける特例を申請する予定だ。

 小寺泰弘病院長(63)は「基準を守ることは簡単ではないが、医師の健康のために改革は必要だ」と強調。残業時間を減らす取り組みと並行して、自主的な研究など自己研さんは原則、勤務時間に当たらないとの方針も示した。上司の指示や了解があれば、研究活動を勤務時間として認めることにはなっているが、「自己研さんとの線引きは難しい。医師の研究がおろそかにならないか心配だ」と懸念する。

 名古屋市立大病院(名古屋市瑞穂区)は2016年から、救命救急センターに学生アルバイト「ドクターエイド」を導入し、医療の知識を必要としない業務をサポート。32人が登録して、患者の移送や家族の付き添いに当たる。担当者は「貴重な戦力となり、医師の働き方改革につながっている」と話す。

 名市大大学院では看護師らへの業務移管で医師の仕事を補うため、来年4月、医師の代わりに一部の医療行為ができる「診療看護師」を養成するコースを設ける。診療看護師は救急患者の問診やペースメーカーの管理が可能となる。

    ◇

地域医療 縮小の恐れも

 医師の残業規制に伴い、これまで通りの医療体制を維持できるかが懸念されている。国際医療福祉大大学院の高橋泰教授(医療経営)は「地域医療への影響が大きく、患者にとって人ごとではない」と指摘する。

 厚生労働省の2022年の調査では、残業時間が年1860時間を超える医師の割合が高い診療科は、外科や産婦人科、救急科が上位だった。もともと医師が不足している科目で、残業時間を制限すれば、医師1人当たりの労働時間が減り、全体として医療体制を縮小せざるを得なくなる可能性がある。

 例えば、大学病院が残業時間を抑えるために派遣先の地方病院から医師を引き揚げた場合、「地方病院で夜間救急が診られなくなる問題が高い確率で起きる」と高橋教授は予想。がんなどの手術件数が減れば、待ち時間が長くなることも想定され「早く治療するために海外の病院で手術を受けるケースも出てくるかもしれない」と話す。

 ただ、過労死を防ぐ医師の働き方改革は進めるべきだとして「電子カルテなど医療のデジタル化に取り組み、業務の負担を減らす必要がある」と強調。「患者も今の医療サービスを受けられることが当たり前と思わず、不要不急な時間外診療を減らすなど適切な受診を心がけるべきだ」と語る。

(メモ)

 医師の働き方改革 罰則付きの残業規制は一般企業で2019年4月に導入されたが、医療や物流、建設業は早期の対応が難しいことから5年間の猶予があった。医師の残業時間の上限は年960時間で、地域医療の確保、研修医などの理由があれば特例で年1860時間まで認められる。特例は35年度末まで。上限規制に違反した場合は、罰則として6月以下の懲役または30万円以下の罰金が使用者に科される。厚労省の22年調査によると、年960時間の上限超えに該当する、週60時間以上の労働時間だった医師の割合は約21%となった。

ビーコンで勤務自動記録

名札に付けたビーコン(中央)が発信する電波を受信機(左側)が検知し、自動で滞在時間を記録する

ビーコンからの電波を基に、滞在した場所や時間が色で表示される=いずれも名古屋市昭和区の名古屋大病院で

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