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正しい消毒・除菌~ウイルスを減らし感染予防をしましょう~
2020年08月03日(月)
テーブルやドアノブなどの消毒の仕方
新型コロナウイルスの猛威が再びやってきたようです。ウイルスを含む飛沫が口や鼻、眼などの粘膜に触れたり、ウイルスが付いた手指で口や鼻、眼の粘膜に触れることで新型コロナウイルスの感染が起こります。そのため、飛沫を吸い込まないよう人との距離を確保し、会話時にマスクを着用し、手指のウイルスは洗い流すことが重要です。さらに、身の回りのモノに付着しているかもしれないウイルスを消毒することで、手指につくウイルスを減らすことが期待できます。
今回は、テーブルやドアノブなど生活用品の消毒・除菌の仕方をお伝えします。
汚れやウイルスを広げない拭き取り方
いくら消毒・除菌材を使っても、通常テーブルを拭くように、ささっと適当に拭く方法では、消毒・除菌には適していません。
布などに、目的にあった消毒・除菌材を染み込ませ、一方向にしっかり拭き取ることが大切となります。これは、汚れやウイルスを広げないようにするためです。
スプレー等による噴霧は、ウイルスをまき散らす可能性が高く、吸引による健康被害もあり危険です。スプレーボトルタイプのものを使いたい場合は、テーブルなどに直接吹きかけるのではなく、布などに吹きかけて、薬剤を広げましょう。
消毒・除菌したいものにしっかりと薬剤が行き渡るようにし、少し時間を置いて、しっかり水拭きをするのが基本となります。
中には、化学反応でシミや脱色、サビ、くすみなどが出る場合がありますので、大切なものは目立たないところで一度試してみてください。
また、手指用の消毒・除菌材ではないので、手荒れの可能性があります。使い捨てのビニール手袋などを使い、直接触れないようにしてください。
目的にあった製品を、正しく選び、正しい方法で使用しましょう
アルコール製品での除菌はすでに周知の通りかと思います。濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて拭き取ります。( 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる、とした報告もあります)
揮発するので、水拭きも必要ありません。
以前より手に入りやすくなってきましたが、わざわざアルコール製品を買わなくても、身近な製品でも効果がある物があります。
◎家庭用洗剤(界面活性剤)
テーブル、ドアノブなどには、市販の家庭用洗剤の主成分である界面活性剤が効果的です。ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するもので、現在9種類の界面活性剤が、新型コロナウイルスに有効であることが、独立行政法人製品評価技術基盤機構/NITEにより確認されています。
どこの家庭でも、数種類の洗剤を使っていると思います。コチラで試験で効果が確認された界面活性剤の種類を確認して、洗剤の成分表示のラベルを見比べてみましょう。
有効な界面活性剤を含む洗剤のリストも公開されています
- 使い方
- スポンジで使う台所用洗剤の場合 -------
- 500mlの水に小さじ1杯分(5g)の洗剤を入れ、軽く混ぜ合わせます。
- 布などにポタポタと液が垂れない程度に染み込ませて、しっかりと拭き取ります。
- 5分後、清潔な布などで水拭きをして、洗剤を拭き取ります。特にプラスチック製品は、放置すると傷むことがあるので必ず水拭きをしましょう。
- 乾拭きをしたら完了です。
※作り置きした液は効果がなくなるので使い切りましょう。
- 家具用洗剤の場合 -------
製品記載の使用方法に従ってそのまま使用します。
- 注意事項
ボトルなどにも書いてあるとおり、目に入らないよう注意し、手指用の製品以外は、原則、皮膚に使用しないでください。もちろん、飲み込んだり、吸い込んだりしてはいけませんので、容器に入れて噴霧するのはお勧めできません。
◎塩素系溶液
2種類あります。塩素は上水道やプールの殺菌としてなじみのある成分ですが、塩素に過敏な方は使用を控えましょう。
当然こちらも、目や皮膚に付着したり、飲み込んだり、吸い込んだりしないよう注意が必要です。スプレーなどで空気中の消毒をするのも危険なのでやめましょう。
使用する場合は、換気をして下さい。
- 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム/NaClO)-------
テーブル、ドアノブなどには、市販の塩素系漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。アルカリ性で、家庭用塩素系漂白剤として使われているものです。酸化作用により、ウイルスを破壊し、無毒化します。
ただし、金属製を腐食させる性質があるので、ドアノブなどの装飾や蝶番などにサビが発生することがあるので、注意が必要です。使用後は必ず水拭きをしましょう。
- 使い方
- 市販の家庭用漂白剤を、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように薄めた溶液で、消毒・除菌したい場所を拭きとります。
一般的に、塩素濃度約5%の製品が多いようなので、目安としては、500mlの水道水に塩素系漂白剤を5ml(ペットボトルのキャップ1杯分)と覚えておくと便利です。製品の塩素濃度を確認してください。古くなった製品は効果が薄いので、ご注意ください。 - その後、しっかりと水拭きをします。
※消毒成分である有効塩素濃度は、時間経過とともに徐々に低下します。余ってしまったら、冷暗所で保管し、数日間で使い、残ったら捨てるようにしましょう。
- 注意事項
塩素系漂白剤のボトルにも「混ぜるな危険!」の表示があるとおり、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して大変危険です。
漂白剤なので、洋服に付くと脱色してしまいますので慎重に溶液を作りましょう。
また、次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めただけでは、後述する「次亜塩素酸水」にはなりません!
- 次亜塩素酸水(HClO)-------
「次亜塩素酸水」は、「次亜塩素酸」を主成分とする、酸性の溶液です。酸化作用により、ウイルスを破壊し、無毒化します。
いくつかの製法がありますが、一定濃度の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの感染力を一定程度減弱させることが確認されています(NITEの検証)。
ただし、食塩水や塩酸を電気分解して生成した「次亜塩素酸水」は、食品添加物(殺菌料)に指定されており、規格が定められ、食品加工工場における野菜の洗浄などに使われていますが、次亜塩素酸ナトリウムを原料に、酸を加えたり、イオン交換等をすることで酸性に調整したものには規格や基準が無く、成分がはっきりしないものもあります。成分等がわからない製品は、購入を控えましょう。
- 使い方
消毒したいものの汚れをあらかじめ落としておきます。
- 拭き掃除の場合
- 有効塩素濃度80ppm以上(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かした製品の場合は100ppm以上)の次亜塩素酸水をたっぷり使い、消毒・除菌したいものの表面をヒタヒタに濡らします
- 20秒以上おいてから、清潔な布やペーパーで拭き取ります。元の汚れがひどい場合などは、有効塩素濃度200ppm以上のものを使うことが望ましいでしょう。
- 生成されたばかりの次亜塩素酸水を用いて消毒したいモノに流水掛け流しを行う場合
- 35ppm以上のものを使いましょう。
- 20秒以上掛け流した後、清潔な布やペーパーで拭き取ります。
※こちらも不安定な物質のため、短時間で酸化させる効果がある反面、保存状態次第では時間と共に急速に効果がなくなります。冷暗所に保管し、すぐに使い切りましょう。
- 注意事項
次亜塩素酸水も、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して大変危険です。
繰り返しになりますが、上記の「次亜塩素酸ナトリウム」とは違います。「次亜塩素酸ナトリウム」を水で薄めただけでは、「次亜塩素酸水」にはなりません。
身近なものを消毒・除菌して、感染リスクを下げていきましょう
テーブルやドアノブなどは、毎日触るものですが、意外と気が回らないところです。使用後のマスクを気軽にテーブルに置いてしまった場合でも、テーブルにウイルスは付着する可能性はあるのです。特に食事の前などは、さっと消毒・除菌できると安心ですね!