職員の経験も意見も存分に生かされた新しい施設です
Q1 施設の特徴は?
法人設立が2016年、施設としては2019年4月にオープンする特別養護老人ホームの「セレナ東海」が1つ目。現在(2018年12月時点)はまだ手探りの状態ですが、「一緒に作り上げていきましょう」という方向性の下、職員の意見が尊重される施設でありたいと思っています。というのも、入職するスタッフの9割が経験者の方が集まってくれています。それぞれのやり方や思いがあるでしょうから、法人のやり方をあらかじめ決めて押し付けるようなことはしたくないのです。実際、オープニングスタッフの採用面接では、「皆さんの経験をいいとこ取りさせてください」と伝えてきました。
Q2 力を入れている取り組みは?
口腔ケアに力を入れていきます。当法人の理事長は名古屋で歯科医をしていますが、年配の患者さんのご自宅や高齢者施設に往診に行くと、口の中のケアがおざなりになっていることが多いそうです。口の中が健康だと、おいしく食事ができ、体力も付いて元気でいていただける。この好循環を体や心のケアにつなげていきたいです。また、当施設はデイサービスやショートステイを併設していません。その分、職員はじっくりと利用者様に関わることができると思います。私自身特養などでの現場経験は長く、利用者様の人生の締めくくりを担う特養の役割は理解しているつもりなので、職員にも同じ気持ちで利用者様のお世話をしてほしいですね。
Q3 介護職に求められることは?
利用者様を「待つ」ことでしょうか。寝たきりでも手は動かせたり、食事のときにスプーンは口まで運べるなど、利用者様ができることは、実は結構あります。そもそも利用者様を1から10までケアすることは、できることを奪ってしまうのでご法度。「相手の立場になって」と言葉にするのは簡単ですが、どうしても業務になると、職員のペースで動いてしまうことが往々にしてあります。それでも利用者様が何かするとき・しようとしているときは、一呼吸おいて待ってみましょうと職員にも伝え続けたいですし、私も心掛けたいと常々思っています。
****メッセージ****
介護の仕事は「友達としゃべるのが好き」の延長
介護の技術は、教えてもらいながら覚えればいいですし、勉強すれば身に付くこともたくさんあります。私は、介護の仕事はまずは利用者様と楽しくしゃべっていただく事から始まると思っています。肩肘張ることはありません。認知症の利用者様もみえますが、その方との接し方も一つのテクニック。重要なのは、接するときの心持ちです。これも、人と接することに魅力を感じている人であれば、相手を知ろうとしたり、役に立ちたいと思えるのではないでしょうか。目の前にいる利用者様に興味を持つことで、できることが見つかり、ケアにつながる。それは、介護の仕事の喜びでもあります。