県は10日、1億4966万円の本年度一般会計補正予算案を発表した。新規事業として、私立幼稚園が医療的ケア児に対して看護師を配置する際に、経費の3分の1を補助する県独自の制度を創設。1400万円を盛り込んだ。22日開会の県議会臨時会に提出する。 (細川暁子、安福晋一郎)
インスリン注射など医療的ケアが必要な子どもに対して看護師を配置する場合、私立保育園には国と自治体の補助制度がある。だが、私立幼稚園に対しては、国が3分の1を補助するのみで自治体の補助はなかった。先月、1型糖尿病で医療的ケアが必要な子どもらを支援する市民団体が、私立幼稚園にも自治体独自の補助制度を設けるよう求める要望書を県と名古屋市に提出。私立幼稚園には看護師を配置しづらいため、子どもが入園できなかったり、入園できたとしても家族が付き添ったりする必要がある現状を訴えていた。
こうした声を受け、県は、国の補助に3分の1を上乗せする補助制度を創設。さらに、市町村に対しても、3分の1の補助を検討するように依頼する。文部科学省の調査によると、2023年度は県内9園の私立幼稚園に14人の医療的ケア児が通園。県は、子ども1人に対する看護師配置の補助額を100万円と試算し、14人分の1400万円を補正予算案に盛り込んだ。
このほか、補正予算案では、愛知芸術文化センター(名古屋・栄)に入る県美術館と県陶磁美術館(瀬戸市)の運営方法を、地方独立行政法人化することなどの検討費用として計1億2958万円を計上した。
芸文センターの建物管理とセンター内の県芸術劇場の運営も、民間に運営権を譲渡するコンセッション方式か公募型の指定管理にする方針で、市場調査などを行う。県は4月、運営の移行方針を盛り込んだ計画を公表していた。