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【医療】新治療の検証 患者ら負担減 既存薬の投与法 比較も

2024年02月20日(火)

愛知県長久手市の男性会社員(43)は9年前から大腸がんを患い、県がんセンターで抗がん剤などの治療を受けてきた。薬を切り替えることになった時、紹介されたのがプラグマティック臨床試験。「将来の治療開発につながるなら」と参加を決めた。

 臨床試験とは、新たな治療法や診断法について、有効性や安全性を検証する仕組み。病状や治療歴、既往歴、合併症の有無といった参加条件が細かく設定されている上、指定された医療機関で頻繁に検査したり、服薬中の薬をやめなくてはならなかったりと、患者の生活や治療に制約があることが少なくない。

 一方、今回の新しい臨床試験では、収集する検査データなどを必要最低限にし、日常の診療現場に沿う形で簡素化して実施する。プラグマティックとは、英語で「実用的」との意味だ。患者は参加しやすくなる上、実施にかかる人的、金銭的負担が少なく医療機関も取り組みやすい。

 大腸がんの男性も、当初は薬の投与のために多くの条件を出されるかもと身構えたが、実際に指示されたのは投薬の間隔ぐらい。「臨床試験ならではの煩わしさはまったく感じないし、これまで通りの生活ができている」と振り返る。

 同センターで今回検証しているのは、より良い投薬の方法。対象は抗がん剤の治療歴があって切除できない大腸がんの患者だ。具体的には、既に効果が証明され、国内で標準治療になっている2種類の抗がん剤と点滴の抗体薬を併用する際、投与の間隔で副作用に違いがあるかなどを調べる。

 この薬の併用では、従来は図のように、抗体薬を2週間に1度、抗がん剤は4週間のサイクルで投与するのが正規の方法。ただ、その通りに投薬すると、血中の白血球や好中球の減少といった副作用が現れやすかった。そこで、抗がん剤を2週間のサイクルで使うという方法が科学的な裏付けが弱いまま普及している。

 研究代表者を務める同センター薬物療法部医長の谷口浩也さんによると、がん領域では、この療法のように、開発段階での結果が診療の現場に当てはまらず、副作用などが強く現れるケースはあるという。その場合は新たに臨床試験を計画して検証すべきだが、薬の効果自体は立証済みのため、製薬会社には取り組むメリットが少ない。医師主導で検証するには金銭面や人的コストが壁だった。

 プラグマティック臨床試験は、こういった壁を越えるため、簡素化した条件で実施するのが利点。医療機関も参加しやすいため、今回はがん診療連携拠点病院を中心に協力施設は250施設に上った。

 試験期間は3年間。今年12月まで参加する患者の登録を進める。最終的に890人への投与方法を、従来のタイプと新案にランダムで振り分け、どちらが効果的かを比較して見極める。

 谷口さんは「プラグマティック臨床試験は、新薬の検証には使いにくいが、既存薬の新しい使い方の検証に応用しやすい。低コストで単独の施設でも発案できるため、医師自身が診療の中で抱く疑問を検証することができる。効率の良い臨床試験の選択肢として広げたい」と話した。

 愛知県がんセンター(名古屋市)が昨年12月から、「プラグマティック臨床試験」と呼ばれる新たな形の臨床試験に取り組んでいる。新しい治療法の効果を、できるだけ日常の診療現場で検証できるように簡素化して実施するのが特徴で、がん領域では国内初の試みだ。患者にとっても医師にとっても参加のハードルが低く、全国の医療機関から協力の申し出が相次いでいる。 (植木創太)

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