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中日ハートフルジョブ > NEWS&TOPICS > 企業担当者と学生の「就活」座談会(下)

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企業担当者と学生の「就活」座談会(下)

2020年05月12日(火)

 中部地方の企業の採用担当者と学生が、匿名で就職活動の本音を話す座談会。後半は、近年の就職活動で主戦場と目されるインターンシップ(就業体験)や東海地方の事情が話題になった。(就職活動取材班)

■出席者■ 

<企業の採用担当>
専門商社   50代男性
外食チェーン 40代男性
IT企業   40代女性
自動車販売  30代男性

<学生>
※座談会を開いた3月末当時
女子学生Aさん
(就活中、私大文系学部)
女子学生Bさん
(国公立大文系学部
4月から商社勤務)
男子学生Cさん
(国公立大理系大学院
4月からメーカー勤務)

 

 -Cさんは就活を振り返っていかがですか。

 男子学生C 修士論文を書くのに必死で、就活は従来の経団連ルール通り3月から取り組んだが、最終的に受けられた会社数は少なかった。あまり研究室に来ない学生が3月5日ごろに内定を取っていて「真面目に研究していたら得しないのか」と思った。

 

 -企業の受け止めは。

 IT企業 理系学生は研究が忙しいので(3年や修士1年の)夏や秋にインターンに来てもらい、うまくマッチングしたら「一緒にやっていこうね」という状態にして、あとは安心して研究に没頭してもらうというのが理想型だ。

 

 -近年はインターンシップで実質的な選考をしている。

 IT企業 結果的にそうかもしれないが、インターンは仕事の魅力を伝える場、学生との出会いの場だと思っている。学生が、現場の開発担当者から話を聞いたり、グループで発表したりする。「こんな製品を世の中に生み出していけるのは面白い」と感じてもらいたい。そこで良いと思った学生に声をかけて、選考につなげていく感じだ。

 専門商社 私は単位認定に耐えうる長期のものしかインターンシップと呼ばない。ただ、学生には長期の就業体験より、できるだけ多くの企業の情報を得たいとの思いがある。企業側の姿勢を見ると、ここ1、2年、インターンで実質的な選考をするところが圧倒的に多い。

 外食チェーン 教育的なインターンというよりも、がっつり採用につなげる方か(笑)。うちは安定した財務状況が売りなので、そういった面からも企業を見たほうが良い、とアドバイスする就活講座のようなインターンをしている。

 女子学生B インターンには、参加すると選考が早く進むというイメージがある一方、インターンの段階で切られると、その後の選考に進めないというイメージもある。

 専門商社 学生さんは素人で、人事はプロ。世の中には無知な学生をインターンで囲い込んで逃がさない会社もある。学生はある程度知識を持ってインターンに臨まないと危うい。

 

 -今年から選考などの解禁時期を定めた経団連ルールがなくなった。

 外食チェーン ある程度の期間を示してもらった方が外食業界はやりやすい。あまり早く始めても、内定者に対する入社までのフォローの時間が長くなってしまうので。

 IT企業 一定のルールがないと、学生が困るのでは。そのためには、ある程度、時期がそろっていないと学生も比べられないと思う。

 

 -就活の早期化で選考から内定式までの期間が長くなった。企業の負担は。

 外食チェーン 内定式まで長ければ長いほど、学生がほかの企業に流れてしまう。定期的な連絡をまめに行う必要がある。

 自動車販売 内定者に自社でのアルバイトを紹介している。ほかにも数年前から整備士には入社祝いで5万円の工具を渡している。費用はかかるが、負担とは思っていない。

 

 -経団連は日本型雇用を見直し、能力に応じて採用する「ジョブ型雇用」の拡大などを目指している。

 専門商社 私は日本型雇用は日本の慣習として良いと思っている。長い就業期間を想定した新卒一括採用は、将来を見据えた堅実な採用だ。一方、ジョブ型はもっと短いスパンを想定している。私は今までの社会がつくり上げてきた制度は、ある程度は踏襲すべきだと考える。

 

 -IT企業の見方は。 

 IT企業 ジョブ型が短期スパンとは思っていない。会社を変えても変えなくてもスペシャリストになる人はいる。ただ、そういう人ばかりではなくて、大学生がこれから自分が何で生きていくかを決められない時に、とりあえず新卒で入社して、経験を積んでからジェネラリストか、スペシャリストかを見極めるのが日本に合うと思う。

 

 -東海地方に特有な就職活動の事情はありますか。

 専門商社 ものづくりが中心にあって、そこの資金がうまく回っている。東京と東海地方では就活マーケットが違う。

 IT企業 ちょっとゆっくりなのか、東海地方の方が。うちはけっこう愛知県外の学生の採用が多い。でも「グローバルに働きたい」という東京の学生から「名古屋勤務は嫌です」と言われる(笑)。「インドに行く」とか言っているのに、名古屋は嫌なんだと。

 自動車販売 東京の学生が何人か内定辞退してきて、ずっと東京で育ってきて名古屋で働くのは「都落ち」だと言われた。 

 IT企業 でも来てくれる学生もいる。「ずっと東京で育ったけど、そろそろ外に出て自分を試してみたい」とか「人がたくさんいるところは疲れた」みたいな学生もいる。

 専門商社 逆に愛知の人は外に出たくない。 

 一同 そうですね。

 専門商社 非常に優秀で成績がいい学生でも、地場のトヨタ自動車の関連企業に入るとか、そういう学生はたくさんいるし、親御さんもそれを望んでいるところがある。

 

 -学生さんたちは地元にいたいですか。 

 女子学生B いえ、海外に行きたい。親が転勤族なので地域への強いこだわりはなく、地域で会社を選ぶことはなかった。

 女子学生A 地元もいいとは思うが、もっと広い視野で仕事をしたいと思っている。

 

 -最後に一言ずつ、就職活動とは何でしょうか。

 IT企業 自分らしい生き方の入り口じゃないか。

 外食チェーン 出会い。

 専門商社 社会への貢献の始まり。働くということは、モノであれサービスであれ社会に価値を提供することだと思っている。

 自動車販売 新卒で就活できるのは今回限り。楽しんでやった方が絶対いい。堂々と胸を張って。良い思い出になると思う。

2020年5月9日(土)中日新聞朝刊掲載

 

【インターンシップ】 企業が学生を受け入れ、仕事の体験や職場見学などをしてもらうプログラム。大学で単位認定されるケースもある。学生の「売り手市場」の傾向が強まった2010年代半ばから導入する企業が増えた。

【経団連の就職活動ルール】 活動時期が早まることで学業に支障が出ないように企業説明会の解禁を大学3年の3月、面接を4年の6月と定めていた。非加盟の新興・外資系企業がルールに関係なく選考していたことから加盟企業の不満が高まり、2021年卒の採用からルール自体をなくした。政府が代わって従来日程の順守を呼びかけているが、罰則規定はない。

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