盲導犬とそのユーザーさんが共に暮らすことのできる所です
Q1 施設立ち上げの経緯は?
当協会では視覚障害のある方に盲導犬を貸与していますが、昨今はユーザーさんも高齢化しているのが実情です。盲導犬ユーザーさんが要介護状態になり、自宅で犬と過ごせなくなった場合、盲導犬を伴っての介護施設への入居は難しいといわれています。結果、ご自身の入居と共に、盲導犬は当協会へ返却いただくことになってしまうため、ユーザーさんに喪失感を抱かせてしまうことは避けられません。そんな要介護状態になった盲導犬ユーザーさんに、引き続きパートナーの犬と一緒に住んでもらいたいというシンプルな思いが、施設オープンのきっかけです。もちろん特養ですので要介護3以上の方であればどなたでも入居できますし、独居の方限定ながら、しつけがなされた犬をペットに飼っている要介護3以上の方も受け入れます。
Q2 採用担当者として心掛けていることは?
4月のオープンに向けて、現在(2019年2月時点)はスタッフの態勢づくりをしている最中ですが、盲導犬(ペット犬)が近くにいることについては、実際に身を置いてみないと分からない部分が多いものの、利用者さんが犬と一緒にいることで落ち着くなど、介護職として当施設で働く際のメリットを共有したいです。また法人としては、各職員が自分の意見を持ち、かつ発信できるような風通しの良い組織を目指しているので、良いと思ったことがあれば、まずは実践してみることの大切さを伝えています。
Q3 介護職員に求めることは?
介護職員とは別に犬の世話をするスタッフがいるので特別な手立てを講じる必要はありません。それよりも環境に目を向けること。介護施設では、利用者さんが自宅でできていたことが少なからずできなくなります。利用者さんに欠かせない存在である犬が一緒にいる環境だからこそ、「どうしたら利用者さんが気持ちよく過ごせるだろう?」という思いは持ち続けてほしいです。いざ仕事を始めると、目の前のことに追われて実践できないときがあるかもしれませんが、常に思っていることが大切だと考えます。
****メッセージ****
穏やかな気持ちで介護の仕事に取り組めるはず
ひと口に介護施設と言っても、中心市街地やその近郊はもちろん当施設のような都心部から遠く離れたところにもあります。それぞれに良いところがある中、介護職として働く上で立地以上に重要なのは、地域に開かれていることです。当法人が目指しているのも、そんな施設。敷地内には誰でも自由に利用可能なドッグカフェやドッグランを整備し、職員や利用者さんが地域の人と気軽につながりを持つことができます。それが豊かな緑とおいしい空気の中で実践できるとなれば、利用者さんのケアも穏やかな気持ちで取り組めるのではないでしょうか。